会社の人間関係に疲れやすかったり、上司、同僚の言葉や行動で傷つきやすいことで「私はなんて弱いのだろう」と、自分を責めていませんか?
実は人は、敏感で繊細な気質をもった人がいます。これを「HSP」といいます。
例えば、職場内に機嫌が悪い上司がいたとします。
いつもより言い方がきついため、社内の緊張した空気を察することで息苦しさを感じる人もいれば
上司が機嫌悪いことにも気づかず、いつも通りマイペースに仕事ができる人もいます。
みんな同じ場所にいることで、同じ感覚だと思ってしまいますが、それぞれ受け取りかたは違います。
私も他人の感情や、周りの空気を察してしまうHSPのため、職場の人間関係には疲れやすく「この会社は合わない・・」と思い悩んでは、転職ばかり繰り返していた時期もありました。
でも、HSPの気質を知り、対処法を知ることで人間関係で疲れてしまうことは減ってきます。
会社の人間関係に疲れやすい原因が分からないままだと、転職をしても同じことの繰り返しですが
HSPの気質を知ることで、職場の上司、同僚と距離の置き方など改善策がみえて、会社員生活だけでなくプライベートでの人付き合いも楽になっていきます。
あなたがHSPなのか、まずは診断してみましょう。
HSP診断テスト
あなたがHSPなのか診断するために、次の質問に感じたまま答えて下さい。
少しでも当てはまる場合は「はい」
まったく当てはまらない、あまり当てはまらない場合は「いいえ」
(診断結果は「はい」がいくつあるかで決まります。)
□ 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
□ 他人の気分によく左右される
□ 痛みにとても敏感である
□ 忙しい日が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
□ カフェインに敏感に反応する
□ 明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
□ 豊かな想像力を持ち、空想にふけやすい
□ 騒音に悩まされやすい
□ 美術や音楽に深く心動かされる
□ とても良心的である
□ すぐにびっくりする(仰天する)
□ 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
□ 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐ気づく(例えば、電灯の明るさを調整、席をかえるなど)
□ 一度にたくさんの事を頼まれるのがイヤだ
□ ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつけている
□ 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
□ あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
□ 空腹になると集中できないとか、気分が悪くなるといった強い反応が起こる
□ 生活に変化があると混乱する
□ デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
□ 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
□ 仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
□ 子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」「内気だ」と思っていた
以上の質問で、12個以上に「はい」と答えたあなたはおそらくHSPでしょう。
ただし「はい」が少なくても、度合いが極端に強ければHSPかもしれません。
では、あらためてHSPの詳しい解説からしていきます。
HSPとは
HSP(Highly Sensitive Person)とは、敏感で繊細な気質を持った人のことをいいます。
例えば
・人に言われたことを気にしすぎてしまう
・機嫌が悪い人がそばにいるだけで緊張する
・他人が怒られているのを見ているだけで苦しくなる
・人と長時間一緒にいると疲れてしまう など
周りの環境や人の気持ちを察してしまうことで、会社の同僚だけでなくどんなに仲が良い友人でも長く一緒にいると疲れやすくなります。
ですが、HSPの人みんなが同じような性格というわけでもありません。
同じHSPでも、引っ込み思案で内向的な人もいれば、ムードメーカーやリーダー的な存在で刺激を求める外向的な人もいます。

他人の感情や言葉、態度に影響を受け考えすぎたり、いつまでも引きずってしまうことで
「私は弱い・・」と自分を責めてしまいがちですが、これはただの気質だったということです。
HSPという生まれ持った気質は変えることはできません。
だから、自分のことを理解し、意識して他人とうまく距離をとることです。
HSPについてもっと詳しく知りたい方は「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本が参考になります。
なぜHSPは会社の人間関係に疲れやすくなるのか?

HSPが職場の人間関係に疲れやすいのは、他人との境界線がないがために、人の感情を受け取りやすくなるからです。
だったら人と多く関わる「会社員は向いてないのか?」と不安になるかもしれませんが
そんなことありません。
無理して自分の感情にフタをするのではなく、意識して、他人と距離を置くことで人間関係も楽になっていきます。
例えば、同僚が困っていても、声をかけられるまでは手を貸さない、
職場内で重い空気を感じたら、トイレなどにいってひとりの時間を作るなど
つまり、他人の問題を自分から引き受けないことです。
困っている人を見ていると自分も辛くなりつい手を貸したくなりますが、それを繰り返すことで、気が付けば他人の問題をたくさん抱えていることになります。
そしてやがては、「むくわれない・・」と虚しくなるなることにも
また、意地悪な先輩、上司の悪い感情までしっかり受け入れてしまうことで、目の敵になってしまう場合だってあります。
だから、意識して他人と距離をおき、他人と自分の感情に境界線を引くことです。
とはいっても、周りの環境に左右されないようにするにも限界はあります。
そのため、HSPにとって職場選びはとても重要になってきます。
HSPが転職に失敗しないための仕事の見つけ方

どんな仕事をするか?も大切ですが、HSPにとって「職場環境(人、雰囲気など)」はとても重要になります。
いくら好きな仕事に就けたとしても、厳しい上司がいるだけで本当の能力を発揮できなかったり
また、会社のオフィスがせまく、人の出入りが激しいことで敏感なHSPは集中できないことだってあります。
そのため、もし転職するなら実際働く職場はどんな雰囲気なのかも確認しましょう。
とはいえ、会社は入社してみないと分からないことも多いですよね。
事前に知っておきたいからといって、面接の時に「この会社はどんな雰囲気ですか?」「仕事を教えてくれる人は怖いですか?」なんて聞けないですよね(笑)
でも、「人材派遣」や「転職エージェント」を利用することで、直接企業に聞きづらいことを事前に確認することもできます。
私が派遣社員として働いていた頃、事前に担当者さんにどんな会社なのか詳しく教えてもらうことができました。
また、合わない職場だと思えば延長しないで、違う職場に変わることもできますし、同じ職場で働き続けるのが苦手な人なら2ヵ月以内(期間限定)の短期派遣に就くこともできます。
正社員として働きたい場合は、まずは派遣として2,3カ月働いて自分に合うか見極めてから正社員になれる「紹介予定派遣」を利用することもできます。
最初から正社員を目指すなら、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談することです。
今までと同じような行動をしていては、何もかわりません。少しずつでもいいので、行動を変えていきましょう。
HSPの仕事に関することならささいなことに動揺してしまう 敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本が参考になります。
結局HSPって生きづらいってこと?

HSPは会社の人間関係で疲れやすく生きづらくて損なことばかりと思うかもしれませんが
HSPだからこそ、人からの優しさや、周りのいいこと、いいものに気づき、深く味わうことができます。
例えば、同僚に親切にされると嬉しくなります。
お客さんに「ありがとう」と言われたら幸せを感じます。
そんなの「誰でもそうじゃない?」と思うかもしれませんが、感じない人もいます。
誰かの笑顔で救われるってことも、誰にでもある感情ではありません。
また、周りの観察力や気づきが多いことで仕事に活かすこともできますし、
人の感情を察することで、コミュニケーション能力をアップさせることもできます。
HSPは生きづらいと思えば、生きづらい毎日が続きますが、この繊細で敏感な能力を最大限に活かそう!と思えば、HSPという気質は「すごい才能だった!」と思えます。
人は変わりたいと思えば、いくらでも変わることができます。
あなたはHSPの気質は生きづらいと嘆いて終わりますか?それとも才能として活かして、これからの人生変えていきますか?
